れたりしていた。訪れてくる女たちは、好奇心の強い悪口好きの下等な中流人だった。彼女らの饒舌《じょうぜつ》はアンナには少しも興味がなかった。彼女は自分の無関心さを隠すだけの労もとらなかった。それこそ許されないことだった。かくて訪問客はまれになってき、彼女は一人ぽっちになった。それが彼女の望むところだった。彼女がくり返し味わってる夢想を、また彼女の肉体の人知れぬどよめきを、もう何物も乱しに来ようとはしなかった。
数週間以来、アンナは苦しんでるようだった。顔は肉が落ちてきた。クリストフやブラウンの前を避けた。自分の室にこもって日々を過ごした。一人考えに沈んでいた。話しかけられても返辞をしなかった。ブラウンは例によって、女のそういう気まぐれをあまり気にかけなかった。そしてそれをクリストフに説明してやるほどだった。女から騙《だま》されるときまってるたいていの男と同様に、彼も女というものをよく知ってると自惚《うぬぼ》れていた。そして実際かなりよく知っていた。がそれはなんの役にもたたないのである。女はしばしば頑固《がんこ》な夢想や執拗《しつよう》な敵対的な沈黙などの発作を起こすものだ、ということ
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