あるとして、二重に悪く見られていた。彼のほうから言えば、多くの不快な事柄が眼についた。彼はいくら信じまいとしても、カトリック教の古い痕跡《こんせき》をになっていた。それは論理的というよりもいっそう詩的であり、自然にたいして寛容であり、愛するか愛しないかが主眼であって、説明したり理解したりすることにそれほど齷齪《あくせく》しなかった。また彼は、パリーで知らず知らず得てきた知的および道徳的自由の習慣をもっていた。彼はどうしてもその祗虔主義《ピエティスム》の小社会と衝突せずにはいられなかった。そこではカルヴァン派の精神的欠陥が誇大に現われていた。それは信仰の翼を切ってつぎに信仰を深淵《しんえん》の上につるしておく、宗教上の純理主義であった。なぜなら、あらゆる神秘説と同様に議論の余地ある、一つの先入見《ア・プリオリ》から出発していたからである。それはもはや詩ではなく、散文でもなく、散文化された詩であった。理知的|傲慢《ごうまん》であり、理性にたいする――自分の[#「自分の」に傍点]理性にたいする――絶対的な危険な信仰であった。彼らは神をも不滅をも信じないでいられた。しかし、カトリック教徒が法王
前へ
次へ
全367ページ中207ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ロラン ロマン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング