一々見守りながら、ひそかな敵意を覚えさせられた。それでも彼は、彼女が口をきこうとしないのがありがたかった。――彼女の出て行ったあとで医師がやって来ると、なおいっそうそれがありがたく思えた。医師はクリストフが初めの食事に手をつけなかったのに気づいたのだった。彼女が無理にも食べさせなかったことを怒って、こんどは自分でぜひとも食べさせようとした。クリストフは静穏を欲して、牛乳を少し飲みくだした。それから彼のほうへ背を向けた。
 二日目の夜は最初の夜より穏やかだった。重い眠りがクリストフを虚無のうちに連れ去った。もう呪《のろ》わしい生の跡方もなかった。――しかし眼覚《めざ》めはいっそう息苦しいものだった。彼はあの因果な一日のことを、オリヴィエが外出を嫌《いや》がったことや帰ろうと切願したことなど、すべてのことを詳細に思い出した。そして絶望の念をもってみずから言った。
「彼を殺したのは自分だ……。」
 一人でじっと室に閉じこもっていると、獰猛《どうもう》な眼をしたスフィンクスの爪《つめ》に引っつかまれ、その死骸《しがい》の息吹《いぶ》きとともに、眼がくらむような問いを真正面に吹きかけられた。それ
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