のする牛のそばに敷き藁の中に寝ころんで、クリストフはパンをかじった。涙が顔に流れた。飢えと苦悶とは鎮まらなかった。がその夜もまた、数時間眠って苦しみを忘れた。翌日戸の開く音に眼覚めた。が身動きもしないで横たわっていた。もう生きたくなかった。農夫は彼の前にたたずんで、じっと彼をながめた。手に一枚の紙をもっていて、ときどきそのほうへ眼をやった。ついに一歩進み出て、クリストフの鼻先へ新聞を差し出した。第一ページにクリストフの肖像が出ていた。
「それは僕だ。」とクリストフは言った。「告発するがいい。」
「立ちなさい。」と農夫は言った。
 クリストフは立ち上がった。農夫はついて来いという身振りをした。二人は納屋の後ろを通り、果樹の木立の中の曲がりくねった小径《こみち》をたどった。十字路まで来ると、農夫は一筋の道をクリストフに指《さ》し示して言った。
「あちらが国境です。」
 クリストフは機械的に道をたどった。なんのために歩いてるか自分でもわからなかった。心身ともに疲れはてぐたぐたになっていて、一歩一歩立ち止まりたかった。しかし一度立ち止まったら、もうふたたび歩き出すことができず、倒れた場所から身
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