がめまわした。一、二度それらしいものを見た気がした……。否それは彼ではなかった。クリストフは約束の旅館へ行った。そこにもオリヴィエはいなかった。しかし実は驚くに当たらなかった。どうしてオリヴィエのほうが彼より先に来れるものか……。しかしそのときから、待つことの辛さが始まった。
朝になっていた。クリストフは自分の室に上がっていった。また降りてきた。昼食をした。町をぶらついた。彼は呑気《のんき》なふうを装っていた。湖水をながめたり、商店の陳列品をながめた。食堂の女中をからかった。絵入新聞をめくってみた……。が何にも面白くなかった。一日はゆるゆると重々しくたっていった。晩の七時ごろ、何もすることがないので、別に食べたくもない夕食を早めに取った。そして、待ってる友人が来たらすぐに案内してくれと頼んで、また自分の室に上がっていった。入り口を背にしてテーブルにすわった。何にも仕事がなかった、荷物もなければ書物もなかった。先刻買った新聞が一つあるきりだった。それを読もうとつとめた。しかし注意は他に向いていた。彼は廊下の足音に耳を澄ましていた。不眠のうちに過ごした一夜と待ちながら過ごした一日との疲れ
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