「向こうで会えるよ。明日君といっしょになれる。彼は一番列車で発《た》つんだ。さあ早く! 今くわしく言ってきかしてやるよ。」
彼はクリストフをとらえた。クリストフは騒ぎにぼんやりし、自分のうちに吹き起った狂風にぼんやりして、自分が何をなしたか、またどうされようとしてるのか、さっぱり訳がわからないで、引っ張られてゆくままになった。マヌースはクリストフの腕をとらえ、他方の手でカネーをとらえた。カネーは自分に課せられた役目を喜んではなかった。マヌースは二人を自動車に乗せた。人のいいカネーは、クリストフが捕縛されたらたいへん心配するに違いなかった。しかしクリストフを救う役目は自分以外のだれかに引き受けてもらいたかった。マヌースはカネーの人物をよく知っていた。そして彼の意気地なしにある疑いを起こしたので、二人と別れようとしかかったとき、自動車が音をたてて動きかけた間ぎわに、突然考えを変えて、二人のそばに自分も乗った。
オリヴィエは意識を回復しなかった。その室の中にいるのはオーレリーと佝僂《せむし》の少年とだけだった。空気も光も不足してる侘《わ》びしい室! もうほとんど真暗《まっくら》だった…
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