の暴虐な人波、などを彼は見てとった。彼は叫び声をあげて、みずから駆けつけてきた。仲間の者らがそのあとにつづいて駆けてきた。飲食店の入り口にいた他の者らも駆けてきた。彼らの呼び声をきいて、飲食店の中にいた者らも駆けてきた。両者は犬のように取っ組み合った。女たちは人道の段の上に残って叫び出した。――かくて、貴族的な小中流人のオリヴィエは、だれよりも戦いをもっとも好んでいなかったにもかかわらず、戦いの火蓋《ひぶた》を切ったのだった……。
クリストフは労働者らに巻き込まれて、その騒動の中に飛び込んだ。だれがひき起こした騒動かは知らなかった。オリヴィエが交じっていようとは夢にも思わなかった。オリヴィエはもうまったく安全な所へ遠く行ってることと思っていた。争闘の様子は少しも見てとれなかった。各自に自分を襲ってくる者を見定めるのに忙しかった。オリヴィエは沈んでゆく小舟のように、渦巻《うずまき》の中に没してしまっていた……。彼を目ざしたのではないある剣先が、彼の左の胸に達した。彼は倒れ、群集に踏みつけられた。クリストフは人込みの逆流のために戦場の先端まで押し出されていた。彼はなんらの憎悪をもいだいて
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