労働者、などがいた。二、三の者はボタンの穴に赤い野|薔薇《ばら》の花をつけていた。彼らは温和な様子だった。革命家を気取ってる人々だった。幸福のわずかな機会にも満足する温良な楽天的な心が、彼らのうちに感ぜられた。この休みの日に天気がいいかあるいは相当な天候でさえあれば、それを感謝していた……だれに感謝すべきかはよくわからなかった……がとにかく周囲のすべてに感謝していた。別に急ぎもせずに揚々と歩きながら、樹木の新芽をながめたり、通り過ぎる小娘の衣裳をながめたりしていた。そして慢《ほこ》らかに言っていた。
「これほどりっぱな着物をつけてる子供はパリー以外では見られない。」
 クリストフは予告されてるすばらしい運動を茶化していた……。人のよい連中かな!……彼は彼らにたいして愛情をいだいていたが、一片|軽蔑《けいべつ》の念もないではなかった。
 二人が先へ行くに従って、群集は立て込んできた。蒼《あお》ざめた怪しげな顔つきの者や放逸な口つきの者が、咥《くら》うべき餌食《えじき》と時とを待ち受けながら、人|雪崩《なだれ》の中に潜んでいた。泥《どろ》が掘り返されていた。一歩ごとに群集の流れは濁っていっ
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