中にじっと縮こまってることは、僕にはできない。中流人どもの中にいると息がつけない。」
クリストフほど要求多い肺臓をもっていなかったオリヴィエは、自分の狭い住居と二人の女友だちの静穏な仲間とで満足していた。とは言え、二人の女友だちの一人のアルノー夫人は、今では慈善事業に没頭していたし、も一人のほうのセシルは、子供の世話にばかり心を向けて、もう子供の話しかしないし、また子供としか話をしないで、しかもその調子は、小鳥のような子供の声音を真似《まね》て、形の定まらないその囀《さえず》りを人間の語調に直そうとする、浮き浮きしたおどけたものだった。
労働者階級の間を通りぬけるうちに、オリヴィエは二人の知人を得ていた。二人とも彼と同じく独立者であった。一人はゲランという経師《きょうじ》屋だった。気まぐれな勝手な働き方をしていたが、しかし非常に器用だった。自分の職業を好んでいて、美術品にたいして生まれつき趣味をもち、観察や勤勉や博物館見物などでその趣味を発達さしていた。オリヴィエは彼に古い家具を一つ繕ってもらったことがあった。その仕事は困難なものだったが、彼は巧みにやってのけた。多くの苦心と時間と
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