。そのうえ二人は、一人娘のレーヌもしくはレーネットをかわいがることで一致していた。
娘は十三歳であった。いつも病気だった。数か月来|股関節炎《こかんせつえん》のために床についたきりで、樹皮の中にはいったダフネのように、全半身副木に固められていた。傷ついた牝鹿《めじか》のような眼をし、日影の植物のような褪《あ》せた色をしていた。大きすぎるほどの頭は、引きつめたごく細やかな薄い金褐色の髪のために、なおいっそう大きく見えていた。けれど、変りやすい花車《きゃしゃ》な顔、生き生きした小さな鼻、初々《ういうい》しいやさしい微笑をもっていた。母親の信心は、病苦になやんで無為に暮らしてるこの子供のうちでは、熱狂的な性質となって現われていた。法王の祝福を受けた小さな珊瑚《さんご》の数珠《じゅず》をつまぐりながら、幾時間も祈祷《きとう》を唱えていた。ちょっと唱えやめては熱心に数珠に接吻《せっぷん》していた。彼女は一日じゅうほとんど何にもしなかった。針仕事にも疲れを覚えた。アレクサンドリーヌ夫人は彼女に針仕事の趣味を教えていなかった。彼女には詩のように思われる気取った平板な文体で書かれてる、ある無趣味な論
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