る、予は万人を愛している、万人は予を愛している……。ああ人はいかに仕合わせぞ! 明日人はいかに仕合わせになることぞ!……

 工場の汽笛が響いていた。少年は我に返って、頬張《ほおば》っている食物を呑み下し、近くの水道|栓《せん》でぐっと水を飲み、それからまた佝僂《せむし》の背中をかがめながら、跛のよちよちした足取りで、印刷所の受持場所へ帰り、革命のメネ[#「メネ」に傍点]・テケル[#「テケル」に傍点]・ウパルシン[#「ウパルシン」に傍点](数えられぬ、秤《はか》られぬ、分かたれぬ)を他日書くべき、魔法の活字の箱の前に就いた。

 フーイエ親父《おやじ》には、街路の向こう側に住んでる紙屋で、トルーイヨーという旧友があった。その紙雑貨店の店先には、ガラス器にはいった赤や緑のボンボンだの、手も足もないボール紙の人形などが見えていた。往来の両側で、一方は入り口の敷居の上で、一方は店の中で、二人は目配せをしあったり、頭を動かしあったり、その他いろんな無言の身振りをしあった。どうかすると、古靴屋が靴底をたたくのに倦《う》み疲れて、彼の言葉に従えば臀《しり》にしびれが切れてくるようなときには、ラ・フ
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