ていた。彼女が自分の役に打ち込んでる悲壮な熱意は、彼女といっしょに彼を焼きつくした。彼はついに彼女へ書き送った。
 ――あなたは私を恨んでるのですか? お気にさわったのなら許してください。
 その謙遜《けんそん》な言葉に接して、彼女は彼の家へ駆けつけて来、彼の腕に身を投げ出した。
「ただ親しい友だちのままでいたほうがよかったでしょうけれど。でもそれもできなかったからには、しかたないことに反抗しても無駄ですわ。もうどうなっても構わないことよ!」
 二人は生活をいっしょにした。それでも各自に自分の部屋《へや》と自由とを取って置いた。クリストフとの几帳面《きちょうめん》な同棲《どうせい》に馴《な》れることは、フランソアーズにはできなかったろう。そのうえ、彼女の境遇もそれに適しなかった。彼女はクリストフのところにやって来て、昼と夜の一部を彼といっしょに過ごしたが、しかし毎日自分の家へももどってゆき、そこで泊まってくることもあった。
 芝居のない幾月かの休暇中には、ジフ寄りのパリー郊外に、二人はいっしょに一軒の家を借りた。多少|愁《うれ》いの曇りがないでもなかったが、とにかく幸福な日々を、彼らは
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