わらせた。こだわりのないあざけり気味で、自分のことを話して、危うく死ぬところだったと言った。彼はびっくりした様子を見せた。すると彼女は茶化した。彼は何にも知らせなかったことを難じた。
「お知らせするんですって、あなたに来ていただくために! そんなことをするものですか。」
「きっとあなたは、僕のことなんかは考えもしなかったんですね。」
「そのとおりよ。」と彼女はやや悲しげな冷笑を浮かべて言った。「病気のうちはちょっとも考えなかったんですの。まったく今日が初めてですわ。寂しいことだと思っちゃ厭《いや》ですよ。私病気のときは、だれのことも考えないんです。ただ皆さんにお願いすることは、静かにさしといてほしいということだけですの。そして壁と鼻をつき合わして、じっと待ってるんです。一人ぽっちでいたいんです。鼠《ねずみ》のように一人ぽっちで死んじまいたいんですの。」
「けれど一人で苦しむのは辛《つら》いことです。」
「私は馴《な》れっこですわ。長い間不幸な身の上でしたの。だれも助けに来てくれませんでした。
今ではそれが癖になってるのでしょう……。それに、そのほうがかえってましですわ。だれがいたって
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