ならしむる安逸の[#「感受性を狂暴ならしむる安逸の」に傍点]倦怠《けんたい》」を知った。楽しい時期は、歩みをゆるめ、勢い衰え、水なき花のようにしおれていった。空はやはり同様に青かったが、もはや朝の軽やかな空気はなかった。すべては小揺るぎもせず、自然は黙していた。彼らは願っていたとおり二人きりだった。――そして二人の心は切なかった。
 言い知れぬ空虚の感じが、楽しくなくもない漠然《ばくぜん》たる倦怠が、彼らに姿を見せてきた。彼らはそれがなんであるかを知らなかった。ただなんとなく不安だった。彼らは病的なほど感じやすくなった。沈黙をじっと聞き澄ましてる彼らの神経は、人生の些細《ささい》な不意の出来事にぶつかっても、木の葉のようにうち震えた。ジャックリーヌは理由もなしに涙を流した。涙の原因は愛であると信じたかったけれども、もうそればかりではなかった。結婚前の熱烈な苦しい年月を経て後、目的を達して――達してそして通り越して――突然あらゆる努力をやめ、あらゆる新しい行ないが――そしておそらくあらゆる過去の行ないが――にわかに無用に帰したので、彼女は自分でも訳のわからない惑乱に陥って、圧倒されてしま
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