なたがた自身のために、征服なすったのです。そこで、この国内でも、同様になさい。戦いの範囲をお広げなさい。政治や宗教などの些事《さじ》のために指弾し合ってはいけません。それは取るに足らぬ事柄です。あなたがたの民族が、教会の嫡流《ちゃくりゅう》であろうと理性の嫡流であろうと、それは大したことではありません。生きることが必要です。生をさかんならしむるものはすべていいものです。世にあるただ一つの敵は、生の泉を涸《か》らし汚す享楽的な利己主義です。力をさかんにし、光明をさかんにし、豊かな愛を、犠牲の喜びを、さかんになさい。他人から代わって活動してもらってはいけません。活動なさい、活動なさい、団結なさい、さあ!……」
そして彼は、合唱付交響曲[#「合唱付交響曲」に傍点]の変ロ長調行進曲の初め数小節を、ピアノでやたらにたたき出した。
「いいですか、」と彼はひきやめながら言った、「僕がもしフランスの音楽家だったら、シャルパンティエかブリュノー……(どいつも駄目《だめ》だ)――僕なら、合唱交響曲のうちに、あなたがたを皆いっしょにしてみせます、市民よ武器執れ[#「市民よ武器執れ」に傍点]も、万国労働歌[#「万国労働歌」に傍点]も、アンリー四世万歳[#「アンリー四世万歳」に傍点]も、神はフランスを護る[#「神はフランスを護る」に傍点]も――ありったけのものを――(そら、こういう種類のうちに……)――口を焼けただらすほどのごった煮をこしらえてみせます。それは少したまらないかもしれません――(がとにかく彼らが作ってるものほど悪いものではない。)――しかし僕は保証しますが、それはあなたがたの腹を温《あたた》めるでしょう、そしてあなたがたは歩き出さざるを得なくなるでしょう。」彼は心から笑っていた。
少佐も彼と同じく笑った。
「クラフト君、君はまったく元気な男だ。君がわれわれの仲間でないのは残念なことだ。」
「いや僕はあなたがたの仲間ですとも。どこへ行ったって同じ戦いです。列を固めようじゃないですか。」
少佐は賛成した。しかし事情は以前のとおりだった。そこでクリストフはあくまで固執して、ヴェール氏やエルスベルゼ兄弟の上に話をもどした。すると少佐も同じく固執して、ユダヤ人やドレフュース派にたいする持論を繰り返した。
クリストフはそれを寂しがった。オリヴィエは彼に言った。
「くよくよするなよ
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