どちらも同じ姿だった。
「あなたはその女《ひと》を御存じですね。」とクリストフはくり返した。「どうか知ってるだけのことを私に聞かしてください。」
ラインハルト夫人は、自分たちは親友で万事をうち明け合った間柄だということから、まず話しだした。しかしその詳細に立ち入ると、彼女のいわゆる万事はごくつまらないことになってしまった。二人は初め他人の家で出会った。ラインハルト夫人の方からその若い女に交際を求めた。そして例の懇篤さで、話しに来てくれと招いた。若い女は二、三度やって来た。そして二人は話をした。けれども、好奇なリーリがその若いフランス婦人の生活を多少知るのも、そう容易なことではなかった。向こうは非常に慎み深かった。わずかずつ身の上話を引き出さなければならなかった。ラインハルト夫人は、彼女がアントアネット・ジャンナンという名前であることをまさしく知った。彼女には財産はなかった。家族としては、パリーに残ってる若い弟があるきりで、彼女は献身的にその弟を助けていた。たえずその弟のことを話していた。彼女が多少感情を吐露するのは、その話にばかりだった。そしてリーリ・ラインハルトは、両親もなく友だち
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