下稽古のおりにであった。ある日一つの場面を聞いていると、それが非常に馬鹿げたものに感ぜられて、役者たちのせいでそうなったのだと思った。そして、詩人の眼前でその場面を役者たちに説明しようとしたばかりでなく、役者たちを弁護してる詩人にまで説明してきかせようとした。作者たる詩人はそれに抗弁して、自分が何を書いたかは自分で知ってるつもりだと、気を悪くした調子で言った。クリストフはそれでも前言を翻さないで、ヘルムートは何にもわかっていないんだと言い張った。ところが、皆がくすくす笑ってるので、初めて自分の滑稽《こっけい》なことに気づいた。要するにそれらの詩句を書いたのは自分ではないということを認めて、口をつぐんでしまった。その時彼は、作品がたまらなくばかばかしいものであることを知った。そして失望落胆した。どうして自分が見間違ったかを怪しんだ。彼はみずから馬鹿者と呼び、髪の毛をかきむしった。「お前には何にもわからないんだ、お前の仕事じゃないんだ、お前は自分の音楽にだけ頭を向ければいいんだ、」と彼は自分自身に向かってくり返しながら、心を落ち着けようとしたが無駄《むだ》だった。――児戯に類した点や、わざ
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