すね。」と彼は機嫌《きげん》よく言った。
 彼女は彼をしみじみとした様子でながめ、強くその両手を振り動かして言った。
「お友だちにね。」
「お友だち!」と彼も手を振り返しながら言った。
「このコリネットがここから発《た》ってしまっても、忘れないでくださるわね。このフランスの女が真面目でないったって、それを恨みはなさらないわね。」
「そしてあなたの方でも、この野蛮なチュートン人がいくら馬鹿だって、それを恨みはしないでしょうね。」
「それだからかえって好きなのよ。……パリーへも会いに来てくださるわね。」
「ええきっと。……そして私に手紙をくださるでしょうね。」
「誓うわ。……あなたもそれを誓ってちょうだいよ。」
「誓います。」
「いいえ。そうじゃないのよ。手を出さなくちゃいけないわ。」
 彼女はオレースの誓いを真似た。また彼女は、自分のために一篇の曲を、插楽劇《メロドラマ》を、書くことを彼に約束さした。彼女はそのフランス訳をパリーで演ずるつもりだった。彼女は仲間とともに翌日出発することになっていた。彼らが一興行するフランクフルトまで、彼は翌々日会いに行くと約束した。二人はなおしばらくいっし
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