からだった。
「平《ひら》べったくって、」と彼女は言った、「おかしな格好に毛がたれ下がってるんだもの。それを見た時私は、ほんとに、涙の限り泣いちゃったわ。ねえ、デジレさん。」
「はいって来ると、」とデジレは言った、「びっくりしたわ。顔の色がなくなって、死人のようになってたんですよ。」
 クリストフは笑った。コリーヌはそれを鏡の中で認めた。
「笑ってるのね、人の気も察しないで。」と彼女は怒《おこ》って言った。
 が彼女もまた笑いだした。
 彼は前夜の稽古《けいこ》の様子を尋ねた。
「すっかりうまくいったわ。」ただ一つ彼女は、他人の台辞《せりふ》はもっと削ってもらいたく、自分のは削らないようにしてほしいだけだった。……二人は楽しく話し合って、午後の一部はそれで過ぎてしまった。彼女はゆるゆると着物を着た。自分の服装についてクリストフの意見を聞くのを楽しんだ。クリストフは彼女の容姿をほめ、フランス語とドイツ語と折衷的な言葉を使って、彼女ほど「淫麗《いんれい》」な人を見たことはないと、率直に述べた。――彼女は最初まごついて彼をながめ、それから突然大声に笑いだした。
「私が何か言ったんですか。」と
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