も率直な驚きを示すのであるが、彼もやはりそのとおりで、彼女に言った。
「これは不思議だ。あなたは実にりっぱな趣味をもってる。僕はまったく意外でした……。」
コリー又は彼の鼻先で嘲笑《あざわら》った。
その次から彼は面白がって、ますます理解しにくい作を選び、どこまで彼女がついて来るかを見ようとした。しかし彼女は、どんな大胆な表現にもまごつかないらしかった。そして、ドイツではどうしても人から鑑賞されないので、自分でもついに疑惑を生じかけていた、とくに新しい旋律《メロディー》を弾くと、コリーヌはも一度ひいてくれと頼み、みずから立ち上がって、記憶をたどりながらほとんど間違えずにその曲を歌い出したので、彼は非常に驚かされた。彼は彼女の方へ向き直り、心をこめてその両手を取った。
「あなたは音楽家だ!」と彼は叫んだ。
彼女は笑いだした。そして、初めは田舎《いなか》の歌劇に歌手として乗り出したのであったが、巡回興行主から詩劇にたいする才能を認められて、その方へ向けられたのだということを、説明してきかした。彼は叫び声をたてた。
「ひどいや!」
「なぜ?」と彼女は言った。「詩もやはり音楽の一つじゃな
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