を、どんなにぼくはありがたく思っているでしょう! ただ、あの食事に君がたいへん金を費やされたことを、気にしているだけです。なんという素敵な一日だったでしょう! あの奇遇には何か天意がこもってはいなかったでしょうか。僕たちをいっしょに結びつけようと望んだのは、運命自身であるような気がします。日曜にまたお会いするのが、どんなにぼくは嬉しいでしょう! 宮廷音楽長の午餐《ごさん》に欠けられたについて、君にあまり不愉快なことが起こらないようにと、僕は希望しています。僕のために困るようなことになられたら、僕はどんなにか心苦しいでしょう!
 親愛なるクリストフ君、僕は永遠に君の忠実なる僕《しもべ》にして友であります。
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[#地から2字上げ]オットー・ディーネル
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 二伸――日曜には、どうぞ僕の家へ誘いには来ないでください。もしおさしつかえなかったら、|御殿の園《シュロスガルテン》でお会いできれば仕合せです。
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 クリストフは眼に涙を浮かべてその手紙を読んだ。彼は手紙に唇をあてた。大声に笑いだした。寝台の上に筋
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