とを考えた。人を殺すことを考えた。少なくともそう考えてると想像した。燃え上がるような欲望を感じた。時として少年の心を噛みさいなむ愛憎の発作は、いかに激しいか想像以上である。それはクリストフの幼年時代の最も恐ろしい危機であった。この危機のために、彼の幼年時代は終りを告げた。彼の意志は鍛練された。しかしも少しで、彼の意志は永久に破壊されるところだった。
 彼はもう生きてることができなかった。いく時間も窓にもたれ、中庭の舗石を眺めながら、幼いころのように、生の苦しみをのがれる道が一つあることを、思い耽《ふけ》っていた。そこに、眼前に、直接に、慰謝があった。……直接に? それをだれが知ろう? おそらく、残虐な苦悶の数時間――数世紀――の後かもしれない。……しかし彼の幼い絶望はきわめて深いものだったので、彼はそういう考えの眩暈《めまい》のうちに滑《すべ》り込んでいった。
 ルイザは彼が苦しんでいるのを見た。彼女は彼のうちに何が起こったか正確に察することはできなかったけれども、本能的に危険を覚った。彼女は息子に近づいて、慰めてやるためにその苦しみの種を知ろうとした。しかしあわれな彼女は、クリストフ
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