た。途切れた話の続きをやりたくてたまらなかった。しかしそれはうまくゆかなかった。とはいえ事情は好都合だった。ケリッヒ夫人といっしょに散歩に出かけた。勝手に話のできる機会はいくらもあった。しかしクリストフは口をきくことができなかった。それが非常につらかったので、途中ではできるだけミンナから離れていた。ミンナはその失礼に気づかないふりをしていた。しかし癪《しゃく》にさわって、明らさまに見せつけてやった。クリストフがついに思いきって何か言おうとした時、彼女は冷かな様子でそれを聞いた。彼はその文句をしまいまで言い切るのもやっとのことだった。散歩は終りかけていた。時間は過ぎていった。そして彼はその機を利用できなかったのが残念でたまらなかった。
一週間過ぎた。彼らは相互の感情を考え違いしてると思った。先日の夕方のことは、夢ではなかつたかと疑った。ミンナはクリストフに恨みを含んでいた。クリストフはミンナ一人に出会うのを怖《おそ》れていた。彼らはいつになくますます冷淡になっていた。
ついにある日が来た。――午前中と午後少し雨が降った。彼らは家の中に閉じこもり、言葉もかわさず、書物を読んだり、欠伸《
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