きるもんか。それはこしらえられるもんじゃないよ。」
 子供はいつもの論法で言い張った。
「でも、叔父さん、一度はこしらえたに違いないよ。」
 ゴットフリートは頑《がん》として頭を振った。
「いつでもあったんだ。」
 子供は言い進んだ。
「だって、叔父さん、他《ほか》のを、新しいのを、こしらえることはできないのかい?」
「なぜこしらえるんだ? もうどんなんでもあるんだ。悲しい時のもあれば、嬉《うれ》しい時のもある。疲れた時のもあれば、遠い家のことを思う時のもある。自分が賤しい罪人《つみびと》だったから、虫けらみたいなつまらない者だったからといって、自分の身が厭《いや》になった時のもある。他人が親切にしてくれなかったからといって、泣きたくなったときのもある。天気がいいからといって、そしていつも親切で笑いかけてくださるような神様の大空が見えるからといって、心が楽しくなった時のもある。……どんなんでも、どんなんでもあるんだよ。なんで他のをこしらえる必要があるもんか。」
「偉い人になるためにさ!」と子供は言った。彼は祖父の教訓とあどけない夢想とに頭が満されていた。
 ゴットフリートは穏かな笑いを
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