ゆく太陽の名残《なご》りの光りに照らされていた。クリストフの言葉は喉《のど》元につかえた。ゴットフリートは眼を半ば閉じ、口を少し開いて、ぼんやり微笑《ほほえ》んでいた。彼の痛ましい顔はなんともいえぬ誠実さを帯びていた。クリストフは頬杖《ほおづえ》をついて彼を見守り始めた。夜になりかかっていた。ゴットフリートの顔は少しずつ消えていった。あたりはひっそりとしていた。ゴットフリートの顔に反映してる神秘的な印象に、クリストフも巻きこまれていった。地面は影に包まれ、空は明るかった。星が見えだしていた。河の小波《さざなみ》が岸にひたひたと音をたてていた。子供は気がぼんやりしてきた。眼にも見ないで草の小さな茎を噛《か》んでいた。蟋蟀《こおろぎ》が一匹そばで鳴いていた。彼は眠りかかるような気持[#「気持」は底本では「気待」]になった。……と突然暗い中で、ゴットフリートが歌いだした。胸の中で響くような朧《おぼ》ろな弱い声で歌った。少し離れると聞こえないくらいの声だった。しかしそれには心|惹《ひ》かるる誠がこもっていた。声高に考えてるともいえるほどだった。あたかも透明な水を通してのように、その音楽を通して
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