せてやっているところだよ。」と、おんどりはいいました。
「なにしろ、けっこうなお聖母《せいぼ》さまの日だ、おちいさいキリストさまの下着の、おせんたくして、ほしなすった日だ。ところが、そのあしたの日曜日《にちようび》に、お客があるというんで、ここのおかみさんが、なさけ知らずにもほどがあらあ、女中の話だがね、それで、あすはおいらをスープにしてたべっちまうってんでね、こん晩、さっそく、首をチョン切れといいつかったとよ。だから、せめて声のだせるうちとおもって、おいら、のどのやぶれるほどわめき立てているんだよ。」
「やれやれ、なんということだい、赤ずきん、おれたちといっしょに行くがいいよ。ブレーメンの町へ出かけるところだ。ころされて死ぬくらいなら、すこしは気のきいた所が、どこへ行ったってあろうじゃないか。おめえはいい声しているから、なかまになって音楽をながしてあるけ、いっぱしかせげるぞ。」と、ろばはいいました。
 この申し出は、しごくおんどりの気に入りました。そこで、こんどは四人つれだって出かけることになりました。

         二

 ところで、ブレーメンまでは、なかなか一日では行けませ
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