いました。
 すると、こびとがいいました。
「わたしが、かわりに、それをつむいであげたら、なにをほうびにくれるえ。」
「この首《くび》かざりをね。」と、むすめはいいました。
 こびとは、首かざりをもらうと、糸車の前にすわりました。ぶるるん、ぶるるん、ぶるるん、三どまわすと、まきわくは、金の糸でいっぱいになりました。それから、こびとは、また二ばんめのまきわく[#「まきわく」に傍点]をかけて、ぶるるん、ぶるるん、ぶるるん、三どまわすと、三どめで、またふたつめのわくが、いっぱいになりました。こうやって、あとから、あとからとやっていくうち、朝になりました。もうそれまでに、のこらずまきわくは、いっぱい金の糸になっていました。
 お日さまがのぼると、もうさっそく、王さまはやってきて、へやじゅうきらきら光っている金をみて、びっくりしました。すると、よけい、いくらでももっと金がほしくなりました。
 王さまは、また、こなやのむすめをもうひとつの、やはりわらのいっぱいつんである、しかもずっと大きなおへやへ、つれていかせました。
 そうして、こんどもまた、いのちが惜《お》しかったら、ひと晩でこれを金の糸につ
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