《わか》らないの。あなたがお出《でい》[#「お出《でい》」はママ]になるたんびに、絹紐《きぬひも》を一|本《ぽん》宛《ずつ》持《も》って来《き》て下《くだ》さい、ね、あたしそれで梯子《はしご》を編《あ》んで、それが出来上《できあが》ったら、下《した》へ降《お》りますから、馬《うま》へ乗《の》せて、連《つ》れてって頂戴《ちょうだい》。」
といいました。それから又《また》、魔女《まじょ》の来《く》るのは、大抵《たいてい》日中《ひるま》だから、二人《ふたり》はいつも、日《ひ》が暮《く》れてから、逢《あ》うことに約束《やくそく》を定《き》めました。
ですから、魔女《まじょ》は少《すこ》しも気《き》がつかずに居《い》ましたが、或《あ》る日《ひ》、ラプンツェルは、うっかり魔女《まじょ》に向《むか》って、こう言《い》いました。
「ねえ、ゴテルのお婆《ばあ》さん、何《ど》うしてあんたの方《ほう》が、あの若様《わかさま》より、引上《ひきあ》げるのに骨《ほね》が折《お》れるんでしょうね。若様《わかさま》は、ちょいとの間《ま》に、登《のぼ》っていらっしゃるのに!」
「まア、この罰当《ばちあた》りが!」と魔
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