》を、しっかりと窓《まど》の折釘《おれくぎ》へ結《ゆわ》えつけて置《お》き、王子《おうじ》が来《き》て、
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「ラプンツェルや! ラプンツェルや!
お前《まえ》の頭髪《かみ》を下《さ》げておくれ!」
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と言《い》うと、それを下《した》へ垂《た》らしました。王子《おうじ》は登《のぼ》って来《き》たが、上《うえ》には可愛《かわい》いラプンツェルの代《かわ》りに、魔女《まじょ》が、意地《いじ》のわるい、恐《こわ》らしい眼《め》で、睨《にら》んで居《い》ました。
「あッは!」と魔女《まじょ》は嘲笑《あざわら》った。「お前《まえ》は可愛《かわい》い人《ひと》を連《つ》れに来《き》たのだろうが、あの綺麗《きれい》な鳥《とり》は、もう巣《す》の中《なか》で、歌《うた》っては居《い》ない。あれは猫《ねこ》が攫《さら》ってってしまったよ。今度《こんど》は、お前《まえ》の眼玉《めだま》も掻※[#「てへん+毟」、第4水準2−78−12]《かきむし》るかもしれない。ラプンツェルはもうお前《まえ》のものじゃア無《な》い。お前《まえ》はもう、二|度《ど》と、彼女《あれ》
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