おかあさんのおっしゃったとおりにやるんです。コーヒーで元気をつけて。」
この朝、とくにハンナが腕をふるったおいしいコーヒーに、みんなはすっかり元気づけられ、「せっせとはたらけ、希望をもって」の、標語どおりに、ジョウは、マーチおばさんのところへ、メグはキング家へはたらきにいきました。そして、エミイとベスは、ハンナを助けて家のなかの仕事を、つぎからつぎへ片づけていきました。こうして、まい日、わりに元気にあかるく、なにごともなく過ぎていきました。
それに、おとうさんのことが、娘たちをたいそうなぐさめました。重態ではありましたが、もっともすぐれた看護婦がつきそうようになってから、その効果はすでにあらわれました。ブルック先生がまい日、容態を知らせてくれるので、その速達を一家の長としてのメグが、読みあげることにしましたが、一週、二週とすぎるにつれて、いよいよ娘たちを元気づけてくれました。
みんなずいぶんふくらんだ手紙を書いて、ワシントンへ出しました。その手紙のなかから、こっそり披露してみましょう。
なつかしい、おかあさん。
先日のお手紙がどんなにあたしたちを幸福にしたか申しあげかねるほどでございます。あまりうれしいお便りなので、読みながら泣いたり笑ったりいたしました。ブルックさまは、なんて御親切なのでございましょう。ローレンスさまの御都合で、そんなに長くいて下さって、おとうさんやおかあさんを、いろいろお世話下さるのは、まことにしあわせでございますね。ジョウは、あたしのぬいもののお手伝いをしてくれます。あの子の「道徳上の発作」が永つづきしないことを知っていなければ、過労にはならぬと心配になるくらいです。ベスは時計のように正しく、じぶんの仕事をしています。エミイは、わたしのいうことをよくきいてくれます。ボタンの穴かがり靴下のつくろい、わたしに教わってよくやります。
ローレンスさまは、年とったかあさんのにわとりみたいに、ジョウがそう申します。わたしたちの世話をして下さいます。ローリイもたいそう親切にしてくれます。おかあさんが遠くへいらしたのでわたしたちはときどきさびしくて孤児みたいな気もしますが、ローリイとジョウが元気づけてくれます。ハンナは、聖人みたいです。日夜おかあさんのお帰りを待っています。おとうさんにくれぐれもよろしくお伝え下さいませ、おかあさんのメグより。
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