ない。ああ少年の時に期望したことの中で、まア何を一ツしでかしたか,少壮のころにさえ何一ツ成し遂げなかッた者が、今老いの坂に杖突く身となッて、はたして何事が出来ようぞ,もはや無益《だめ》だ。もはや光沢《つや》も消え、色も衰え、ただ風を待つ凋《しお》れた花,その風が吹く時は……



底本:「日本の文学 77 名作集(一)」中央公論社
   1970(昭和45)年7月5日初版発行
初出:「都の花」
   1889(明治22)年1月
※白抜きの読点をコンマ「,」で代用しました。
入力:土屋隆
校正:小林繁雄
2006年6月27日作成
青空文庫作成ファイル:
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