野の哄笑
相馬泰三

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)如《ごと》く

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)四斗|樽《だる》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)がつと[#「がつと」に傍点]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ぞろ/\
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 型の如《ごと》く、青竹につるした白張の提灯《ちやうちん》、紅白の造花の蓮華《れんげ》、紙に貼付《はりつ》けた菓子、雀《すゞめ》の巣さながらの藁細工《わらざいく》の容物《いれもの》に盛つた野だんご、ピカピカ磨《みが》きたてた真鍮《しんちゆう》の燭台《しよくだい》、それから、大きな朱傘をさゝせた、着飾つた坊さん、跣《はだし》の位牌《いはい》持ち、柩《ひつぎ》、――生々しい赤い杉板で造つた四斗|樽《だる》ほどの棺桶《くわんをけ》で、頭から白木綿で巻かれ、その上に、小さな印ばかりの天蓋《てんがい》が置かれてある。棺台に載せて、四人して担《かつ》いだ。――そして、そのあとから、身寄りのもの、念仏衆、村のたれかれ、見物がてらの子守ツ子たちがぞろ/\と
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