「雨の降る日は天氣が惡い」序
土井晩翠

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)人類《ヒユーマニテイ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから1字下げ]

 [#…]:返り点
 (例)雖[#「雖」に白丸傍点][#レ]

 [#(…)]:訓点送り仮名
 (例)高山[#(ハ)]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\
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 本書の表題は今から七年前、昭和二年の正月以降數ヶ月に亙つて月刊誌『隨筆』紙上に寄稿した私の隨筆のそれである。劈頭に『分かり切つてる事を並べ立てるのだから、こんな題を付けて見た‥‥』と該誌一月號に書いた。こんな書物を刊行するといふ考は初めから無かつたのだが、高楠正男さんに是非ともと曰はれたので、遂に公刊することにした。書名も同君が『是が面白い、かうして出さう』と曰はれたので、之に從つたのである。
『現代佛教』誌上に『隨筆と醉筆』といふ題で、又『隨筆と日誌』といふ題で一昨年の九月號(第九年第九十六號)以來時々書いた漫談的なものが本書の大部分を占めてゐる。
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