、ビンロウジと云う木の実を、しなの木の皮と一緒に、チューインガムでも噛むように、噛む習慣を持っています。)
そうやって長いこと坐り、釣の有様を見ている時、彼女は、どんなにか、プラタプの素晴らしい手伝い、真個の助けとなって、自分が此世に只厄介な荷物ではないことを証拠だてたく思ったでしょう! けれども、何もすることはありませんでした。其処で、彼女は仕方なく天地をお創りになった神に向い、どうか、此世にない程の力を授けて下さるように、驚くべき奇蹟で、プラタプに
「や! 此がお前に出来ようとは思わなかった※[#感嘆符二つ、1−8−75]」
と、喫驚《びっくり》、叫ばせてやることが出来ますように、と祈るのでした。
ああ、考えても御覧なさい。若しスバーが水のニムフであったなら、彼女は、蛇の冠についている宝玉を持って埠頭《はとば》へと、静かに川から現れたでしょうに、そうなると、プラタプは詰らない釣などは止めてしまい、水の世界へ泳ぎ入って、銀の御殿の黄金作りの寝台の上に、誰あろう、この小さい唖のス、バニカンタの娘を見ることも出来たでしょうのに。そう、そう、私共のス、あの宝石の光り輝く市の王様の、たっ
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