ばら色の血色の、くせのない髪の、あかるい目をした十三の少女で内気でおだやかですから、おとうさんが「ひっそり姫」という名をつけたのは、たしかにうってつけでした。
 エミイは、一ばん下ですが、じぶんでは一ばんだいじな人物だと思っています。目は青く、ちぢれた金髪を肩までたらした、あどけない少女で、青白く、やせて、いつも起居ふるまいに気をつける、わかい貴婦人です。

 時計が六時をうちました。ベスはストーブのまわりを掃いて、スリッパをならべてあたためました。やがて、おかあさんのお帰りです。四人の顔によろこびがかがやき、メグはお説教をやめてランプをともしました。
 すると、その古いスリッパが問題になりました。みんなが、じぶんが買っておかあさんにあげるといいはり、また、一もめ、もめそうでしたが、ベスが、
「みんなで、おかあさんにクリスマスのプレゼントをあげましょうよ。じぶんのものは、買わないで。」と、いったので、それはいい思いつきだということになり、あれこれ考えたあげく、メグは上等の手袋、ジョウは上等のスリッパ、エミイはへりのついたハンカチ、ベスはコロン水の小瓶にきめました。
 ジョウは、せなかに
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