んは、この四人の姉妹がどんな人がらか、知りたいでしょう。おもてには十二月の雪がふり、家のなかには、たのしそうにストーブの火のもえている夕暮のうすやみのなかで、編物をしている四人姉妹をスケッチしてみましょう。その前に、部屋のようすをいえば、敷物の色はさめ家具類は質素ですが、壁にはりっぱな絵が一つ二つかけられ、本棚にはぎっしりと本がならび、出窓には菊やばらが咲いています。古い部屋ですが、平和な家庭のなごやかさが、隅々にまで充ちわたっていました。
長女のマアガレット(メグ)は十六で、かわいい娘です。ふとって、目が大きく、とび色の髪はふさふさとしており、口もとがかわいく、じぶんでもいくらか得意の白い手をしています。
十五になるジョウは、せいが高く、やせて、小麦色の肌をして、すらりと長い手足をもてあましているようすから、なんとなく仔馬を思わせます。きりっとした口もと、おどけた鼻、きつい灰色の目をもつ顔は、ときにはするどくなり、ときにはおどけ、ときには思い深げになります。その長いゆたかな髪は、すぐれて美しいけれど、いつもむぞうさにネットのなかに束ねています。
みんながベスとよぶエリザベスは、
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