ツ流を教えてくれたが、まわったりはねたりすることが多いのでおもしろく踊れました。音楽がやむと、二人は階段にやすんで話しましたが、つぎの部屋でメグが手まねきしたので、ジョウがしぶしぶいってみると、メグは足をかかえ、青い顔をしてソファにすわっていました。
「高いかかとがひっくりかえって、くるぶしをひどくいためたの。痛くて立てそうもないわ。どうやって家へ帰ろうかしら?」
 ジョウは姉のくるぶしをそっとなでてやりながら、
「あんまりかかとが高いから、けがすると思ったわ。お気のどくね。だけど、どうしたらいいでしょう。馬車を頼むか、ここに夜通しいるか。」と、こまった顔をしました。
「馬車を頼めば高いし、頼みにいってもらう人もいないし、ここへはとめてもらえないし、あたしハンナが来たら、なんとか考えるわ。あら、みんな夜食にいくわ。あなたもいって、あたしにコーヒーもらって来てよ。あたし疲れて動けないわ。」
 ジョウは、いそいでいきましたが、あちこち部屋をまちがえて、やっと食堂にはいり、コーヒー茶わんに手をかけたとたん、こぼして服の前をよごしてしまいました。それを、あわてて手袋でこすったので、手袋もよごし
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