来るのを待っていると、まもなく、羽かざりのある帽子をかぶり、赤い外套を着て、ギターをもったロデリゴが来て、塔の下でやさしく小夜曲をうたいました。ザラは、城をぬけだすことを歌で答えます。そこで、ロデリゴは縄梯子をかけ、ザラはそれをつたっておりるのでした。
ところが、とんだことが起りました。それはザラが、衣の裾の長いことを忘れ、ロデリゴの肩に手をかけておりようとしたとき、裾がからまり塔はすごい音とともに倒れ、二人はその下敷になったのです。芝居はめちゃめちゃになりそうでしたが、気をきかしたドン・ペデロがとびこんできて「笑っちゃだめ、知らん顔をしてやるのよ。」といいながら、じぶんの娘のザラをすばやくひきだし、ロデリゴにむかって立てと命じ、怒りと嘲りを浴せながら王国から追放するぞと宣告しました。ロデリゴはなにをと、その老人をののしり、立ち退くことを拒みました。その勇ましい態度に、ザラもちからを得て、父である領主にたてついたので、彼は二人を城の牢屋にほうりこむことを命じますと、家来がだまってひきたてていきました。
第三幕は、城の広間で、魔女ハーガーが、牢屋の二人を救い出し、ユーゴーを殺そうと思
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