した。
「切られるとき、こわいと思わなかった?」
「床屋さんが道具を出しているあいだに、あたし見おさめに、じぶんの髪をながめたわ。でも、あたしめそめそしないわ。でもきってしまったら、腕か足きられたようなへんな気持したわ、おかみさんはあたしがきられた髪をながめているのに気がついて、長い毛を一本ぬいて、しまっておきなさいといってくれたの。おかあさん、記念にこれさしあげます。きったらさっぱりして、あたしもう二度とのばそうと思いません。」
 おかあさんは、その毛をたたみ、おとうさんのみじかい灰色の毛といっしょに、机のなかにしまいました。おかあさんは、ただ、ありがとうといっただけでしたが、娘たちはおかあさんの顔色を見て話をかえ、ブルック氏の親切なことや、明日はよい天気になりそうなことや、おとうさんが帰っていらして、じぶんたちが看病できるたのしさなど、できるだけ元気に話しました。
 だれもねたくないようでしたが、十時をうつと、おかあさんは、さあ、みなさんといいました。ピアノで、おとうさんの一ばん好きな讃美歌をひきました。元気よくうたい出しましたが、一人また一人と声が出なくなり、音楽がいつもなぐさめ
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