ョウの耳に三つの言葉をささやきましたが、その言葉でジョウは、おどろきと不愉快な表情をしてつっ立ち、ローリイの顔を見つけてから歩き出しました。
「どうして知ってるの?」
「見たんだよ、ポケットに。」
「ずっと今でも?」
「ええ、ロマンティックじゃない?」
「いいえ、こわいわ。きらいだわ。ばかばかしい。たまらないわ。メグねえさん、なんていうかしら?」
「たれにもいわないでよ、きみを信用したからいったのさ。」
「それじゃ、当分はいわないわ。でも、いやね。聞かしてくれなければよかった。」
「ぼくは、きみがよろこぶかと思った。」
「たれかがメグをつれ出しに来るっていうことを、あたしがよろこべますか。ああ、あたしには秘密ってものは性に合わない。あなたがそんなこと聞かすものだから、気持がくしゃくしゃしちゃった。」
 ジョウが不満らしくいうと、ローリイは、
「この坂を競走しておりよう。そうすれば、気持がさっぱりするよ。」
 あたりには人かげもなく、平らな道がまねくように坂なっていました。ジョウは走り出し、帽子もくしもふり落し、髪をふりみだし、目をかがやかしました。もう不満な色はありませんでした。
「あ
前へ 次へ
全262ページ中169ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
水谷 まさる の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング