びたいのです。天気がよかったら、ロングメドウへボートでいってテントを張り、べんとうを食べてからクロッケーをし遊ぼうというわけ。焚火をし料理をつくり、ジプシイみたいにやるつもり、みんないい人たちで、そういうことが好き、ブルック先生もいっしょで、男の子のかんとくをして下さるし、ケイト・ボガンさんが女の子をとりしまって下さいます。みんなぜひ来て下さい。食料の心配は無用、すべてぼくのほうで用意します。右とりいそぎ、あなたの永久の友ローリイ。」
「すてきだわ!」と、ジョウはさけんで、メグに知らせるためにいそぎました。
「ね、かあさん、いってもいいでしょう。いけばローリイも助かるわ。あたしボートこげるし、メグはおべんとうの世話ができるし、エミイやベスだってなにか役にたつわ。」
「ボガンの人たち、大人くさくなければいいのね。あの人たちのこと知ってる?」と、メグがいいました。
「兄妹四人ということしか知らないわ。ケイトはあなたより年上、ふた児のフレッドとフランクはあたしぐらい、グレースは九つか十でしょう。ローリイは、その人たちと外国で知り合ったんだって。兄妹のうち男の子が好きらしいのよ。でもローリイは、ケイトをあまり好きでないらしいわ。」
 メグとジョウは、着ていく服について話し合いました。キャンプだから、しわくちゃになってもかまわないものにすることにきまりました。ジョウは、
「さあ、精出して、今日中に、二倍の仕事をしておきましょう。明日、安心して遊べるように」といって、ほうきをとりにいきました[#「いきました」は底本では「いききした」]。
 つぎの日、いい天気を約束しに、お日さまが娘たちの部屋をのぞいたとき、そこでは、娘たちがたのしい遠足の仕度をしていました。ベスは、さっさと仕度をすまして、窓ぎわへいって、おとなりのようすを、たえず知らせました。
「あ、おべんとうをつめている。あら、ローリイが、まるで水兵さんみたいなかこうをして……」
 やがて、みんなの仕度ができました。ジョウは、ローリイがじょうだん半分でよこした旧式の麦わら帽子をかぶり、あかいリボンをしばりました。それを見て、メグがやめなさいというと、ジョウは
「あたし、だんぜんかぶっていくの。だって、かるくて大きくて日よけになるし、みんなおもしろがるわよ。」と、いって、平気で出ていきました。それにつづいて、はなやかな三人の娘
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