くらまんぢゆう

押しくらまんぢゆう
ぎゆう ぎゆう ぎゆう。

やれ押せ それ押せ
みんな押せ
押したら寒さが
逃げてくぞ。
押しくらまんぢゆう
ぎゆう ぎゆう ぎゆう。

押してりやぽかぽか
あつたかい
出來たてまんぢゆう
けむが出る。

押しくらまんぢゆう
ぎゆう ぎゆう ぎゆう。
苦しい痛《いた》いで
飛び出すな
つぶれたまんぢゆう
しやうがない。
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   さくらと雀

三月さくらの
花ざかり
枝をくぐつて
花のなか
ちよんちよん雀が
ちよんと飛ぶ。

飛べば小枝が
ゆすぶれて
惜しやさくらの
花びらが
ぱらぱらぱらり
散るけれど、

三月さくらの
花ざかり
花にうかれて
うれしいか
ちよんちよん雀は
ちよんと飛ぶ。
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   白いマント

富士山が
富士山が
白いマントを
ぬいぢやつた。おや、ぬいぢやつた。

今日見りや白い
帽子だけ
横つちよかぶりに
かぶつてた。おや、かぶつてた。

富士山の
富士山の
白いマントは
どうしたろ、おや、どうしたろ。

おてんとさんと
春風が
どつかへ隱して
知らぬ顏、おや、知らぬ顏。
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   い
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