て、それ以上なんにもいえませんでした。
『わたしは、ちゃんと知っているんだよ。お前は舞踏会に行きたいのだろう?』
シンデレラは、ただうなずきました。
『よしよし、お前はいい子だから、舞踏会へ行けるようにしてあげよう。』
シンデレラは、ふしぎそうな顔をして、お婆さんの顔を眺めながら、もしほんとならどんなにうれしいだろうと思いました。
『でも、あたし、服もありませんし、靴もありませんし……』
お婆さんは、シンデレラがそういいかけると、
『いいんだよ、いいんだよ。そんなこと、すこしも心配いらないんだよ。まあ、いっしょに来てごらん。』
と、いって、そのまま先に立って出て行きます。
シンデレラは、ふらふらと、その後へついて行きました。
舞踏会
やがてお婆さんは、自分の家へシンデレラを連れて行くと、さっそくいいました。
『さあ、畠《はたけ》へ行って、南瓜《かぼちゃ》を一つとっておいで。それがお前さんを、舞踏会へ連れて行ってくれるんだよ。』
シンデレラは、すぐに畠へ行って、南瓜を一つとって来ましたが、どうしてこの南瓜が舞踏会へ連れて行ってくれるのか、考えてもわかりませんでし
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