パナマ運河を開いた話
鈴木三重吉
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)黄色熱《くわうしよくねつ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)金物|碗《わん》の中へ
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ほりわり[#「ほりわり」に傍点]です。
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)もと/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
パナマの運河といへば、だれにもおわかりのとほり、南北アメリカのまん中の、一とうせまい、約五十マイルの地峡をきりひらいて、どんな大きな軍艦でもとほれるやうにこしらへたほりわり[#「ほりわり」に傍点]です。これは今から十五年まへに出来上つたのですが、最初アメリカ合衆国政府が、パナマ共和国に同意させて、あのほりわりをひらく計画をたてたのは五十年もまへのことで、かねてスヱズの運河を作り上げた、ドゥ・ルッセといふフランス人の技師をやとつて着手させたのでした。
ルッセははじめ千名の工夫をつかつて工事にかゝりましたが、もと/\この地方一たいは、マラリアだの
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