さうして、女たちの刈りとつた蓮積み車が、廬に戻つて來ると、何よりも先に、田居への降り道に見た、當麻の邑の騷ぎの噂である。
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郎女樣のお從兄《イトコ》惠美の若子《ワクゴ》さまのお母《ハラ》樣も、當麻[#(ノ)]眞人のお出《デ》ぢやげな――。
惠美の御館《ミタチ》の叔父君の世界、見るやうな世になつた。
兄御を、帥の殿に落しておいて、御自身はのり越して、内相の、大師《タイシ》の、とおなりのぼりの御心持ちは、どうあらうなう――。
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あて人に仕へて居ても、女はうつかりすると、人の評判に時を移した。
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やめい やめい。お耳ざはりぞ。
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しまひには、乳母が叱りに出た。だが、身狹刀自《ムサノトジ》自身のうちにも、もだ/″\と咽喉につまつた物のある感じが、殘らずには居なかつた。さうして、そんなことにかまけることなく、何の訣やら知れぬが、一心に絲を績《ウ》み、機を織つて居る育ての姫が、いとほしくてたまらぬのであつた。
晝の中多く出た虻は、潜んでしまつたが、蚊は仲秋になると、益々あばれ出して來る。日中の興奮で、皆
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