ちあがったら、お祈りをするがよい。それにな、倅《せがれ》(長老は好んで彼をこう呼んだ)このさきここは、おまえのいるべき場所ではないぞ。よいか、それをよく覚えておるがよい。神様がわしをお召しになったら、すぐさまこの修道院を去るのじゃぞ。すっかり去ってしまうのじゃぞ」
 アリョーシャはぎくりとした。
「どうしたのじゃ? 当分ここはおまえのおるべき場所ではないのじゃ。おまえが娑婆《しゃば》で大きな難業に耐えるように、今わしが祝福してやる。おまえはまだまだ長い修行をすべき運命なのじゃ。妻も娶《めと》らねばならぬはずじゃ、どうしても。そして再びここへ来るまでには、まだいろいろ多くのことを耐え忍ばねばならぬのじゃぞ。それに、なすべき仕事もたくさんあるじゃろう。しかし、わしはおまえという者を信じて疑わぬから、それでおまえを娑婆へ送るのじゃ。おまえにはキリストがついておられる。心してキリストをお守り申すがよい、さすればキリストもおまえを守りたまうじゃろう! 大いなる悲しみに出会うでもあろうが、その悲しみの中にこそ幸福を見いだすじゃろう。これがわしの遺言じゃ、――悲しみの中に幸福を求めるがよい。働け、た
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