がる!』こう肚《はら》の中で考えた。『鉄面皮即カラマゾフ的良心だ!』

   七 野心家の神学生

 アリョーシャは長老を寝室へ助け導いて寝台の上へ坐《すわ》らせた。それは、ほんのなくてはならぬ家具を並べただけの、ささやかな部屋であった。寝台は幅の狭い、鉄製のもので、その上には蒲団の代わりに毛氈《もうせん》が一枚だけ敷いてあった。片隅には、聖像の前に経机がすわっていて、十字架と福音書とが載せてある。長老は力なく寝台の上に腰をおろしたが、その眼はぎらぎらと光って、息づかいも苦しそうであった。坐ると、彼は何か思いめぐらすように、じっとアリョーシャを見つめるのであった。
「行っておいで、な、行っておいで。わしのそばにはポルフィーリイが一人おればたくさんじゃ、おまえは急いで行くがよい。おまえはあちらで入用な人じゃ、修道院長のお食事《とき》へ行って給仕するがよい」
「お願いですから、ここにおれとおっしゃってくださいまし」と、アリョーシャは嘆願するような声で言った。
「おまえはあちらでよけい入用なのじゃ。あちらには人の和がない。お給仕をしておったら、何かの役に立とうもしれぬ。騒擾《そうじょう》がも
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