ぬことがあって、それをよくのみこんでおこうとするかのように、じっと視線を凝《こ》らしながら、何事かを待っていた。とうとうミウーソフは、決定的に自分がはずかしめられ、けがれたような心持を覚えた。
「この醜態の責任はわれわれ一同にあるのです!」と彼は熱した口調で語りだした。「しかし僕はここへ来る道すがらも、まさかこうまでとは思いもよらなかったのです。もっとも、相手が誰だかってことは承知していましたけれど……これは即刻けりをつけなくちゃなりません! 猊下《げいか》、どうぞ信じてください。僕は今ここで暴露された事実の詳細を知らなかったのです。そんなことは本当にしたくなかったのです……全く今が初耳なのです……現在の父親が卑しい稼業の女のことで息子を嫉妬して、当の売女《じごく》とぐるになって息子を牢へ入れようとするなんて……。僕はこんな連中と共にこちらへまいるように仕向けられたのです……だまされたのです、皆さんの前で言明します、僕は誰にも劣らずだまされたのです……」
「ドミトリイ・フョードロヴィッチ」突然、フョードル・パーヴロヴィッチが、何かまるで借物のような声を振り絞った。「もし、おまえさんがわ
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