u4」は下付き小文字]+Na2[#「2」は下付き小文字]CO3[#「3」は下付き小文字]……
蒼白い白熱瓦斯の情調《ムウド》が曇硝子を透して流れる。
角窓のそのひとつの内部《インテリオル》に
光のない青いメタンの焔が燃えてるらしい。
肺病院の如《やう》な東京物理学校の淡《うす》い青灰色《せいくわいしよく》の壁に
いつしかあるかなきかの月光がしたるる。

〔Ti^n …… ti^n …… ti^n. n. n. n …… ti^n.n ……〕
 〔tire …… tire …… ti^n. n. n. n. …… syn ……〕
t …… t …… t …… t …… tone …… tsn. n. …… syn. n. n. n. n ……
静かな悩ましい晩、
何処かにお稽古《けいこ》の琴の音がきこえて、
崖下の小さい平家《ひらや》の亜鉛屋根に
コルタアが青く光り、
柔《やは》らかい草いきれの底に Lamp の黄色い赤みが点る。
その上の、見よ、すこしばかりの空地《あきち》には
湿《しめ》つた胡瓜と茄子の鄙びた新らしい臭《にほひ》が
惶《あわ》ただしい市街生活の哀愁《あいしゆう》に縺れ
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