》られ男がそこいらに。
* 鄙びた粗末なる一種の琵琶を抱きて卑近なる物語を歌ひながらゆく盲目の門づけなり、地方特殊のものにてその歌ひものをみふし[#「みふし」に傍点]と云ふ。[#この註、2行目以降は3字下げ]
あひびき
きつねのてうちん[#「きつねのてうちん」に「*」の著者註]見つけた、
蘇鐵のかげの黒土《くろつち》に、
黄いろなてうちん見つけた、
晝も晝なかおどおどと、
男かへしたそのあとで、
お池のふちの黒土に、
きつねのてうちん見つけた。
*毒茸の一種、方言、色赤く黄し。
水門の水は
水門《すゐもん》の水は
兒をとろとろと渦をまく。
酒屋男は
半切《はんぎり》鳴らそと櫂を取る。
さても、けふ日のわがこころ
りんきせうとてひとり寢る。
六騎
御|正忌《しやうき》[#「御正忌」に「*」の著者註]參詣《めえ》らんかん、
情人《ヤネ》が髪結ふて待《ま》つとるばん。
御正忌|參詣《めえ》らんかん、
寺の夜《よ》あけの細道《ほそみち》に。
鐘が鳴る、鐘が鳴る。
逢うて泣けとの鐘が鳴る。
*親鸞上人の御正忌なり。
梅雨の晴れ間
※[#「廴+囘」
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